今年もいよいよ年の暮れ。窓を通して見える夜は漆黒で空気が透き通るようだ。 

11月11日に会社を設立してから、1ヶ月半。初めての年末を迎える。
お陰様で面白い機会を色々と頂いており、大きな希望を持ちながら年末を迎えられる。本当にありがたい。

 こうした機会のほとんどは自分の知人経由で頂いたもの。まだ何の実績もないかけだしの会社にとっては、人の縁のありがたさが身にしみる。
そんなことを感じていると、ビジネススクールの教師から貰ったある言葉をふと思い出した。

INSEAD image 300x225 Be Nice to All !

 

僕の通っていたビジネススクールでは、最終学期に行われるクラスの最終日になると、授業の最後にそのクラスの教授が、これから社会に再び出て行く学生達に向かって、最後のはなむけの言葉をくれるのが習わしになっている。

熱く長い言葉を切々と語ってくれる教授も居れば、照れくさそうに軽い言葉で終わる教授も居る。百戦錬磨の教授達による最後の言葉を僕たち学生は楽しみに待つ。

 

そこで一番多かった言葉。それはなんと 「Be Nice to All !」 だった。(といっても2人だけなのだが)

“周りのみんなにナイス(感じ良く、くらいの意味合いだろう)でいるように。”

正直、これを聞いたときは拍子抜けした。仮にも世界で一流のビジネススクールだ。ビジネスやキャリアに関する忠告やもう少し深遠なアドバイスがふさわしいだろう。小学校の生徒に向けるような言葉はちょっと場違いじゃない?と。

だから、僕は他のもう少し気の利いた言葉を心の中に書き留めて(名言好きなのだ)、こんな言葉はすっかり忘れてしまっていた。

 

それがどうだろう。自分の力で立っていくことを決意し、みんなの好意に感謝をしていく中で、この言葉の重みがようやく分かった。
結局は、自分を支え、助けてくれるのは周りの人なのだ。一人では何も出来ない。今までの社会人人生や学生生活で偶然にも知り合った人の中で、僕に好意を持ってくれる人が僕を陰に日向に応援してくれるのだ。

それには当然ナイスな人間であることが必要だろう。イヤな奴と進んで仕事をしたい、と思う人は少ない。

 

周囲の人々にナイスであること。これは周りの人の気分を明るくし、それによって自分も楽しくなる。それだけでも十分なのに、長期的に仕事上でも繋がりが出てくる可能性も出てくる。そしてその人を裏切らないように一生懸命仕事をする。なんて素晴らしい連鎖関係だろう。
必ずしも打算的な意味では無いけれど、人の縁で繋がったナイスな人と楽しい仕事ができればこれ以上何を求めることがあるのだろう。

 

子供の頃から教わっていることというのは、やっぱり重要なことなんだ。