僕に影響を与えた人 – Steve Jobs


Steve Jobsが亡くなった。

世界中の多くの人がその死去を惜しみ、彼のいない将来を嘆いている。

 

僕はAppleの新製品が出れば飛びつくような熱狂的なAppleファンではないし、もちろんAppleStoreの前で徹夜で行列なんかできないし、そもそもMacユーザーですらない。(iPad2とi pod touchは持っているけど)。

しかし、Steve Jobsは間違いなく今の僕に少なからず影響を与えている。

 

それは彼の生き方、考え方であり、直接的にはあの有名なStanford大学の卒業式のスピーチだ。

0 僕に影響を与えた人   Steve Jobs

3年前、会社の上司に勧められ見たのがきっかけだ。

 

僕は、多分、自分の価値観や大切なことの優先順位付けがみんなと多少違っていて、自分のやりたいことを追求することにこだわり、会社を辞めて自費で留学したり、ベンチャーも含めて転職を繰り返してきた。それでいて、同時に「自分のやりたいこと」についても、今ひとつ確信が持てていない、そんなこまった状態だった。

ただ一つブレないことは、「人はいずれ死ぬ。死ぬときに後悔したくない」。この想いだけであり、これが僕の人生の意思決定の根底にあるものだった。高校の時に不慮の事故で亡くなった友人の影響もあるのかもしれない。

 

でも、そんな考えの下に他の人とは違う道を選んでいく僕は、なかなか周囲には理解されない。いや、正確に言えば、理解はされるものの、現実や社会と折り合いをつけた方がいい、とそんな風に諭されることが多かった(みんな良い人なのだ)。そして、何度か失敗を重ねた僕は、30代半ばに近づき、だんだんと新しい挑戦に対する疲れや恐れが知らず知らずのうちに心の中で成長してきているような、そんな時期だった。

 

そんな状況の中見たこの動画。

Steve Jobsも同じように、「死」を意識し、後悔しない一生を送るということを信条に生きていた。そして、色々な挫折・失敗があっても、それぞれは後から振り返ればきっと繋がり、現在に繋がっている(connecting dots)という。僕の祖父が良く教えてくれた「人間万事賽王が馬」を思い出した。

 

同じ考えの人がいることに、そしてそれがあのSteve Jobsであることは、当時の僕を少なからず勇気づけた。そして、改めて自分は間違っていない、と信じることができた。

 

そして今、僕はまた新しいチャレンジをしようと試行錯誤している。正直言えば今回も少し悩んでいる。たまに後悔の陰が自分を襲うこともある。でも、きっとこれはいい決断なんだろう、と思える僕が居る。その肯定的な想いを見えないところで支えているものの一つに、Steve Jobsの言葉がある。

 

Thank you, Steve. ご冥福をお祈りします。

「アントレプレナーシップ」(起業家宣言)


僕の大好きな元上司から贈られた言葉。

 

僕のこれまでの生き方・心意気を、これ以上なく肯定し、そして今後の気持ちを強めてくれる。

ついでながら、作者の誕生日が僕と同じ日であることも、勝手ながら親近感を感じる。

 

壮大な気宇。将来への確信に満ちたチャレンジ精神。そして高潔なる自負。最高だ。

 

————————————————–

「アントレプレナーシップ」(起業家宣言)

私は平凡な人間にはなりたくない。

自らの権利として限りなく非凡でありたい。

私の求めるものは、保証ではなくチャンスなのだ。

国家に扶養され、自尊心と活力を失った人間にはなりたくない。

私はギリギリまで計算しつくしたリスクに挑戦したい。

常にロマンを追いかけ、この手で実現したい。

失敗し、成功し・・・七転び八起きこそ、私の望むところだ。

意味の無い仕事から暮らしの糧を得るのはお断りだ。

ぬくぬくと保証された生活よりも、チャレンジに富むいきいきとした人生を選びたい。

ユートピアの静粛よりも、スリルに満ちた行動のほうがいい。

私は自由と引き換えに、恩恵を手に入れたいとは思わない。

人間の尊厳を失ってまでも施しを受けようとは思わない。

どんな権力者が現れようとも、決して萎縮せず

どんな脅威に対しても決して屈伏しない。

まっすぐ前を向き、背筋を伸ばし、誇りを持ち、恐れず

自ら考え、行動し、創造しその利益を享受しよう。

勇気を持ってビジネスの世界に敢然と立ち向かおう。

出展:Dean Alfange(1899年12月2日コンスタンチンノープル生まれ、ニューヨークで育ったアメリカの政治家。1989年ニューヨークで死去)

「アメリカ人であることが意味するもの」(翻訳者不明)から

 

(原典)
I do not choose to be a common man

It is my right to be uncommon…

If I can. I seek opportunity… Not security.

I do not wish to be a kept citizen,

Humbled and dulled by having the state to dream and build, to

Fail and succeed.

I refuse to barter incentive for a dole.

I prefer the challenges of life to the

Guaranteed existence; the thrill of

Fulfillment to the stale calm of utopia.

I will not trade freedom for beneficence

Nor my dignity for a hand out. I will

Never cower before any master nor bend

to any threat.

It is my heritage to stand erect,

proud, and unafraid; to think and act for

myself; enjoy the benefits of my

creations; and to face the world boldly

and say, “This I have done with my own hand,

I am a man. I am an American.

———————————————-

 

ユーザーの声


PC 150x150 ユーザーの声自分たちで考えたサービスを開発し、日々運営していると、想定通りに行かないこともあるし、競合が参入してきたり、先が見通せなくなってきたりして、どんよりとした気持ちになることもままある。

特にWebをベースにした、B to Cのサービスだとベースを作るまでに結構時間がかかるので、自分達のモチベーションを保ち続けるのが重要。

そんなとき、励みになるのがやはりユーザーの声だ。

 

僕たちのサービスが、NHK総合の朝のニュースで取り上げられることが決まった今年の3月頭。

Twitterで前日に、「NHKのニュースに取り上げられることが決定しました!」とつぶやいたところ、「大好きなサービスがテレビに取り上げられるなんてうれしい!」とか「テレビの前で待ってます」とか、お会いしたこともないユーザーの方からそんな暖かい言葉が次々と返ってきた。自分のことのように喜んでくれたのだ。

 

自分たちのつくったサービスを全国の人が喜んで使ってくれている。この実感、手応え感。

今まで、B to Bビジネスを主戦場にしていた僕にとっては、この喜びは新鮮で、そして何にも代えがたく、振り返ってみればあのユーザーの声が僕の転機の一つになったのかもしれない。

 

「喜びを他の誰かと分かち合う。それだけがこの世の中を熱くする。」と歌ったのは、既に日本の音楽シーンには居ない、かのオザケンだが、こんな見えないユーザーが喜んでくれる姿を想像しながら、日々サービスをきちんと運営し、改善し、自分達のできる範囲で世の中を少しでも熱くしていきたいと思う。

物語の始まり


light 300x200 物語の始まり2011年7月、10年以上続けた会社勤めという立場を置いて、ベンチャー起業に舵を切ることにした。

ずっと前から、いつかはやると決めていた。そして、ぼんやりと「35歳」という年齢を区切りとして置いていた。そして今、僕はその年齢になった。

 

世の中を大きく変えるような驚くべき事業アイデアを思いついた訳でもなく、起業のために十分な準備ができたか、と言われると全然そうは思わない。

でも、自分ながら頼もしいのは、必要以上のワクワク感もなく、焦燥感もなく、さりとて無気力でもない、自然な気持ちでいることだ。

 

ネットベンチャーとしてはちょっと遅めのスタートだけど、必要以上に気張らず、軽やかに、真っ直ぐに、世の中の人に役に立ち、喜ばれるサービスを展開していきたい。

長い物語の第一歩となることを願った初エントリーです。

photo by: Satoru Kikuchi